大人の予防歯科

予防歯科とは

予防歯科とは、虫歯や歯周病を未然に防ぎ、歯や口を健康に保つためにメンテナンスをすることです。
歯が悪くなってからの「治療」ではなく、そもそも虫歯や歯周病にならないための「予防」を大切にする歯科スタイルのことを指します。
歯が悪くなってから歯医者に行く、ではなく、歯が悪くなる前に定期的なメンテナンスをするようにしましょう、というのが予防歯科の考えです。

虫歯や歯周病を防ぐ予防歯科

虫歯や歯周病は治療が可能な病気です。しかし、一度でも治療を行えば、かならず口腔内にダメージが残ります。それを繰り返せば、蓄積したダメージが原因となり抜歯を余儀なくされることも。また、治療には費用や通院の手間といった負担もあります。

こうした事態を回避するためには、予防歯科がもっとも効果的です。虫歯や歯周病は原因が明らかなため、適切な予防処置を行えば発症・再発を抑えることができます。お口の健康を末永く保ちたいとお考えなら、ぜひ座間市の歯医者「ひばりが丘ライズモール歯科」の予防歯科をご活用ください。

75歳以上の約6割が多くの歯を失っています

加齢と共に歯はある程度失われていくものです。これはあくまで自然なことなので、防ぎようがありません。しかし、2011年に行われた調査によると、なんと75歳以上の後期高齢者の場合、本来保持すべき歯の数のおよそ半数が失われているという驚きのデータが示されました。それだけでなく、20本以上の歯を持つ後期高齢者はたったの37%しかいない、という報告もあります。

一人あたりの歯の数の平均値

※平成23年(2011年)歯科疾患実態調査

予防歯科の重要性

日本では充実した歯科医療を受ける事が出来ますが、「予防歯科先進国」と言われる北欧の国と比較すると、全体的に虫歯の数が多かったり、入れ歯を使用している高齢者の割合が高いと言えます。
その違いは、「歯が悪くなってから治療のために歯医者を受診した」のか、「そもそも歯が悪くならないために歯医者を受診した」のかの違いだと言われています。
歯が悪くなってから治療をすると、歯を削ったりすることにより歯の負担が増してしまい、歯の寿命を短くする恐れがあります。また、予防歯科をしっかり行うことにより、生涯の医療費が抑えられるという分析結果も出ています。
歯は一度失うと元に戻すことはできません。歯を失うと、食事を楽しめなくなったり、会話を楽しめなくなったり、QOL(quality of life)つまり生活の質が下がってしまいます。
日本歯科医師会が推進している『8020運動(ハチマルニイマル運動)』(80歳になっても20本以上自分の歯を保とう、という運動)をはじめ、現在日本では予防歯科の重要性が見直されています。

虫歯や歯周病になりやすい人

では、虫歯や歯周病になりやすい人にはどういった特徴があるのでしょうか。

【虫歯になりやすい人】

・虫歯の原因となる「ミュータンス菌」が多い

お口の中には、外からの病原体の侵入を阻止する「常在菌」が存在します。それらに対して「ミュータンス菌」など虫歯の原因となる菌の数が増えると、虫歯のリスクが高まります。(相対的なミュータンス菌の量が問題となります。)

・歯の質

人によって歯の質に強い、弱いがあり、それによって虫歯のなりやすさが左右されます。

・唾液の量が少ない

唾液には、歯についた汚れを洗い流したり、虫歯菌の出す酸を中和してくれる働きがあります。
そのため、唾液が少ないとその効果が得られず、虫歯になりやすいと言えます。

・甘いものや甘い飲み物を好む

口の中の糖が虫歯菌の餌となり、虫歯菌が繁殖します。口の中に糖が長く停滞すればするほど、虫歯の危険性が高くなります。
特に甘い飲み物を常飲したり、飴をなめることが多いと、口の中の糖の停滞時間が長くなり、危険性が高まります。

・お口の中の清潔を妨げる要因がある

ブラッシングが苦手だったり、歯並びが悪かったり矯正治療中で装置が口に入っている場合、磨き残しができ、その部分が虫歯になりやすくなります。

【歯周病になりやすい人】

・唾液の量が少ない、口呼吸

お口の中は常時唾液によって殺菌されています。元々唾液の量が少なかったり、口呼吸により口内が乾燥しやすくなると歯周病が進行しやすくなります。

・喫煙の習慣がある

タバコを吸うと歯茎の正常な細胞を壊してしまったり、ニコチンによって歯茎の血行が悪くなり、歯周病が悪化します。

・加齢

年齢とともに免疫力が落ち、歯周病にもなりやすくなります。

・ホルモンバランスの変化

妊娠、出産、閉経などによりホルモンバランスが崩れると、急激に歯周病が悪化することがあります。特に妊娠の際は、「妊娠性歯肉炎」という病名があるように歯肉が腫れたり出血することが多くなったり、嘔吐反射のため十分にブラッシングができず、歯周病が進行する場合があります。

・ストレスがある

ストレスは万病のもとと言われる通り免疫力の低下を起こし、歯周病にもなりやすくなります。

・噛み合わせが悪い

歯並びが悪いと、噛んでいる歯に負担が多くかかり、歯周病が悪化しやすくなります。

・お口の中の清潔を妨げる要因がある

ブラッシングが苦手だったり、歯並びが悪かったり矯正治療中で装置が口に入っている場合、磨き残しができ、その部分が歯周病になりやすくなります。

虫歯・歯周病予防はプロフェッショナルケアにお任せ

毎日しっかりとブラッシングをしていても、磨き残しを完全になくすことは難しいものです。とは言え、これを放置していては虫歯や歯周病の原因となってしまいます。そこでご利用いただきたいのが、当院のプロフェッショナルケアです。予防歯科のプロである歯科衛生士がしっかりとお口をクリーニングしますので、歯垢や歯石などを徹底的に除去。さらに、虫歯になりにくい処置やホームケアアドバイスなどもいたしますので、いつまでも健康な口腔内環境を維持できます。年に3回以上通院いただき、健やかなお口を守っていきましょう。

予防歯科の治療法

毎日のブラッシング

まずは基本となる毎日のブラッシングをしっかり行えば、虫歯や歯周病を防ぐことができます。
歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスなどを併用し、歯間の汚れをしっかり取ることが重要です。
効果的なブラッシング法を丁寧に指導させていただきますので、お気軽にご来院ください。

定期的な歯科健診やクリーニング

また、定期的に歯科健診、クリーニングを受けることも大切です。 ご自分では気付かない歯の問題を早期に発見したり、ブラッシングでは取りきれない汚れや歯石を綺麗にすることができます。

PMTC (Professional Mechanical Tooth Cleaning)

PMTCとは、専門の機器を用いて、虫歯や歯周病の原因となる歯の表面についた「バイオフィルム」や歯垢、歯石を徹底的に除去する、従来のクリーニングとは異なる本格的なクリーニング法です。
続けていただくことで、高い確率で虫歯や歯周病を防ぐことができます。また、歯の表面の着色を除去し、元の歯の色に近づける効果も期待できます。
定期的にPMTCを受けたグループと受けなかったグループを比較すると、受けなかったグループが20年間で約70倍虫歯になったという研究結果もあります。
歯を削ったりしないので痛みはほぼ無く、綺麗になっていく爽快感を感じることができるので、眠ってしまう患者様もいらっしゃいます。
「バイオフィルム」は歯の表面についた細菌で、約3ヵ月で再生されると言われていますので、それに合わせ定期的に行うことをおすすめいたします。

フッ素塗布

歯の表面に高濃度のフッ素を塗布することで、虫歯を予防することができます。
フッ素には以下の効果があります。

・歯の質を強くする

歯のエナメル質を硬く強くすることで、虫歯の原因となる酸に強い歯になることができます。

・再石灰化作用を促進する

「再石灰化」という、酸で歯が溶けて虫歯になりかけている部分を唾液によって元に戻す作用を促進することができます。

・虫歯の原因菌の活動を抑える

虫歯の原因となる菌が活動するのを抑えて、歯を溶かす酸が発生するのを防ぐことができます。
乳幼児や子供の虫歯予防にも効果を発揮します。
年3~4回は行うことが理想です。

3DS (dental drug delivery system)

抗菌剤や除菌薬をマウスピースに注入して装着し、虫歯や歯周病の減少させる最新の除菌法です。
もともと虫歯や歯周病のリスクが高い方、原因菌を短期間で減らしたい方におすすめしております。

カリエスリスク検査

「カリエスリスク」つまり虫歯のなりやすさを調べる検査のことです。
口内の虫歯菌の数、唾液の量と質、虫歯の治療歴、食生活などのチェックを行い、虫歯のなりやすさを数値やチャートで確認することができます。
ご自分の口内環境を把握できるので、自分に合った方法で効果的に予防をしていくことができます。

予防歯科においては、ご自分で行う「セルフケア」と、歯科医院で行う「プロフェッショナルケア」の双方が必要です。
当院では患者様一人一人に合った予防プログラムを提案させていただきます。
健康な歯を維持していくため、ご来院お待ちしております。

予防歯科Q&A

Q. クリーニング、PMTC、フッ素塗布などを定期的に受けていれば、普段のブラッシングに力を入れなくても良いのでしょうか?
A. 普段の丁寧なブラッシングは必要です。
クリーニング、PMTC、フッ素塗布など予防歯科の治療は、基本となる普段のブラッシングに「プラス」するものだとお考えください。
Q. 毎日のブラッシングなどセルフケアには自信があります。歯医者に行くのは不調が出た時だけで良いでしょうか?
A. 前述の通り、予防歯科においては「セルフケア」と「プロフェッショナルケア」の双方が必要です。 ブラッシングではどうしても取りきれない汚れがありますので、定期的な来院をおすすめしております。
Q. 予防歯科の治療は保険診療ですか?
A. 予防歯科は基本的に自由診療ですが、虫歯や歯周病になってからの来院の手間や治療費を考えれば、予防するメリットは十分にあると考えております。